初めてこの本『さあ数学しよう!』を読んだのは,35年ほど前のことだ.以来,数年に一度は書棚から引っ張り出して読んでいる.大学の数学科教授サージ・ラングが,ハイスクールの15歳くらいの生徒と対話をしながら数学を考えていく.生徒はみんなが数学が得意というわけではないようだ.
しかし,サージ・ラングと話しているうちにπとは何か,角錐と円錐の体積はなぜ角柱や円柱の1/3なのかなどが,魔法にかかったように分かってくる.さらに驚くことに,最後は微分積分まで話が進む.
鉛筆を持って参考書や問題集と向かい合うのだけが数学の勉強ではないことを教えてくれる.教科書や問題集の問題を解く合間に,こんな本を読んでみると数学力に厚みが増すに違いない.著者サージ・ラングさん,翻訳してくれた松坂和夫さんと大橋義房さん,この本を出版してくれた岩波書店に感謝!
しかし,残念なことにこの本は絶版なのです.読んでみようかなという方は,図書館をご利用ください.